カイホウ
JUGEMテーマ:写真
しばらくぶりにブログをアップします.
ソニーのフルフレームのミラーレスカメラ,初代α7をようやく入手しました.
ソニーのEマウントはフランジバックが極端に短いために,いわゆるクラシックレンズのほとんどがアダプター経由で使えるという特徴があり,NEXと呼ばれていたころの5という機種は持っていた(今は他所に出張中)のですが,撮像素子がいわゆるAPS-Cサイズのために,レンズ本来の画角で撮影ができないというジレンマがありました.ただ,フルフレームカメラは高額のため手をこまねいて見ているうちに興味の対象が別な方面に行ってしまいました.同じような写真(カメラ,レンズ)趣味をもつ友人達のα7シリーズを使ったクラシックレンズの作例をみているうちに,また写真に興味が戻ってきて,第三世代が噂される今頃になってやっと初代α7を入手したのです.
フィルムカメラがまだ全盛だった20世紀の間に集めた写真機はかなりの数に上ったのですが,いまではそれもかなり処分してしまいました.しかし幸いなことにレンズだけはまだ手元に残存していて,それらをアダプタ経由でゆったりと撮影して,いわゆるレンズの味なるものを考察したりしています.
今回は,標準といわれる50ミリ近傍のレンズから,いくつか取り出してその開放描写を見てみたいとおもいます.ここにはサムネイルサイズを掲載しますが,いったいどこが違うのか?と疑問を持たれる方は,写真やレンズに対する興味の方向性が我々とは異なるのですから,どうかお気になさらず.笑
まずは,最新の光学設計によって生まれた日本が誇るコシナのレンズ,Voigtlander Nokton 50mm F1.1の開放
(写真をクリックするとFlickrで大きなサイズの写真が見られます)
次に,古き良き時代の大口径である,SMC Pentax K50mm F1.2の開放
(写真をクリックするとFlickrで大きなサイズの写真が見られます)
最後は,Carl Zeiss Planar 55mm F1.4 (Contarex)の開放描写.このレンズをフィルムで撮影すると,ディジタル時代のレンズではないので角が非常に丸いと表現できるでしょうか,気品とともに色気がある写真になります.今回の被写体ではその品は感じられないかもしれませんが...
クラシックレンズのなかでは,最も気に入っているものの一つです.上の二枚と比較して焦点距離が5mm長いので,すこし拡大された画になっているのがわかりますね.
(写真をクリックするとFlickrで大きなサイズの写真が見られます)
いずれも,ピントはマリオの向かって左側の眼の玉(白点)に合わせてあります.
α7シリーズは,ピント拡大モードがあり,その最大倍率で輝度の高い場所を観察すると収差の差がよく解って興味深いです.
最新のNoktonはピント面については,収差がきわめて良く補正されているのがわかります.ウルトラシャープでないにせよ,開放値F1.1でこのかっちりとした描写はたいしたものだと思います.ただ像面の平坦性はF2.8まで絞らないと得られないようです.対してPlanar 55mmは残存収差が絶妙(レンズ名の通り像面が平坦なのが解ります)で,これが立体感に結びついていることがよく解ります.Pentax 50mmはその中間でしょうか.このK50レンズはF2.8まで絞ると,かなりシャキッとした絵になり,いわゆる一粒で二度おいしいレンズになっています.
先日アキヨドでEマウント最新のSEL50F14Zを試す機会を得ましたが,このレンズは開放からずば抜けた解像度と平坦性を持つモンスターレンズでした.絞りはただ被写界深度の調整だけ,写りの傾向は絞りによらずまったく同じな素晴らしいレンズです.
ただ,その大きさ,重量,価格からおいそれとは入手できないだろうと思うものですが...